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メサイアバルキリー
VF-25F
制作
コロナ禍による外出自粛ということで、ずっと作りたかったマクロスフロンティアのメサイアバルキリーVF−25Fを作ります。

2008年放映時に発売されてから、ずっと作りたいなあと思いながらも、模型店にずっと在庫があるのを眺めていました。

振り返ればアッシマー改造もやしもん オリゼーの頃からでしたね。10年越し。
ランナー一覧。
ほぼ白と黒です。

色分けは、水転写デカールかマーキングシールで行うようです。
変形機構を備えているからか、パーツはかなり複雑な組み合わせ方をします。

左右のパーツで微妙に形が違うので、両脚を同時に進めているとうまく噛み合わないことがありました。

同じ作業だと思って適当に進めていましたが、やはり説明書の順番どおりに作るべきでした……。
変形機構に使われる接続部などには、白いABSパーツが使われていました。

白いABSって新鮮。
少しずつ形になってきました。

大きなパーツで構成されているように見えますが、かなりぎっしり細かいパーツが詰まっています。
主翼の基部には金属の棒を仕込むのですが、これがまた入れづらく、プラの部分を破損してしまいました。

瞬間接着剤で補修しました。
パーツを組み上げました。

驚きの白さ!

ここからスミ入れとデカール貼りをしていきます。

丁寧に色分けされているガンプラと比べると、難易度がかなり高いですね、こりゃ。
リアリスティックマーカーのグレーでスミ入れをして、水転写デカールを貼っていきます。

水転写デカールは機龍の時に失敗したので、水に漬け過ぎてノリが流れ落ちないよう気を付けて貼り付けました。

どこかのラインにぴったり合うわけではないので、説明書をよく見ながら位置を調整していきます。

この上からマークソフターを塗ることで、まるで塗装したかのような薄さで色分けを綺麗にすることができます。
しかしこの水転写デカール、塗装における塗膜が弱いので、近くのパーツを可動させるだけで削れてしまいます。

弱!!
地道に水転写デカールを貼っていきます。

位置がかなりシビアなので物凄く気を遣います。

膜が薄いので、水分がなくなった状態で引っ張ると、すぐにちぎれてしまいます。

かなりストレスの溜まる作業で、まだこんなに貼るのか……と思ってしまいました。

時間を見付けて少しずつ貼りました。
デカールの上に貼るデカールもありました。

少し厚みが出ますが、これもマークソフターを塗ることで軟化し、凹凸にフィットします。

位置調整とノリの役割があるマークセッターというツールもありますが、こちらは使いませんでした。
ウォーグレイモンの塗装と同時に無色透明のクリアパーツをクリアパープルで塗っておきました。
楽しくて、ちょっと濃くし過ぎたかも?
機首のパーツは裏面をシャインシルバーで塗っておきます。
翼部分にもデカールがありましたが、両面に貼っても、本でいうところの背の部分が目立ってしまうので、塗装しました。

メタレッドだけでは下地の黒が見えてしまうので、先にニューホワイトを塗って乾燥してから、メタレッドを塗ります。
はみ出した部分はカッターで削り取り、削り後はリアルタッチマーカーのブラックで目立たないように塗りました。
完成が見えてきたので、浮かせてディスプレイするために、アクションベースを買ってきました。

これも模型店にずっと残っていたガンダム00仕様のクリアグリーンカラーのものです。

ずっと在庫として残っているのが、かわいそうだなあと少し思ってしまったのと、GN粒子のイメージと関係なく普通にきれいだなあと思ったのが理由です。
スタンドに乗せてみました。

やっぱりクリアカラーだときれいですね。
戦闘機はコックピットからパイロットの姿が見えてしまうので、色を付けます。

グレー一色なので、下地として生かし、部分的に塗装することにします。

小さいパーツなので、ランナーのまま塗ります。
爪楊枝を筆代わりにして、どうにかメタリックブルー、ホワイト、メタリックグリーンを使って塗りました。

はみ出し部分はカッターで整えました。

胸のSMSマークはどう考えても再現できないので、赤く塗った部分の内側に黄色をちょんちょんと塗って、それなりに見えるようにしておきました。

頭部の赤いラインは、この後マーキングシールを切って貼ることで雰囲気を出しました。
この日も子どもたちを寝かしつけた後、夜な夜な作業をしていたのですが、熱帯夜だったので手が湿っており、水転写デカールが大きくベロッと剥がれてしまいました。

ショック!

もうしょうがないので、左右対称になるようマーカーで塗って修復しておきます。

近い色で塗っても、よく見ると分かります。残念。
コックピットハッチとランディングギアのタイヤ部分はミライトワで使ったつや消しブラックを塗ります。

本体はファイター形態で半光沢クリアーでコートして、ようやく完成!
完成
ファイター形態
ようやく完成しました。

組み立てもなかなか難しく、その後のデカール地獄でイライラして、もう二度と作りたくないキットです。

でもこうして写真で見ると、苦労した甲斐があったなあと思えます。
正面から。

変形して人型のシルエットになるものの、そもそも戦闘機のプラモデルを作るのは初めて。

このVF-25は機首が細長く、ボディは薄く、スラッとしたシルエットで初めて見た人でもかっこいい戦闘機と思うほどの美しさだと思います。

TV本編でも、CGモデルが美麗でした。
ファイター形態は、大気圏内でも宇宙空間でも高速飛行をすることができます。

更に羽を畳んでコンパクトにすることもできます。
ランディングギアはホイール部分をシャインシルバー、タイヤ部分をつや消しブラックで塗装しておいたので、それなりに見えます。

フレーム部分も塗装すると見栄えするのでしょうが、あまり使わないので成型色そのままです。

ランディングギアのカバーは、開いた状態のパーツを差し替えます。

脛を狙われたら、ファイター形態で着陸できなくなるんですね。
コックピットハッチを画面外で手で支えて開いている風。

うっすらパイロットが見えるのもいいですが、こうして直接見えるのもリアル感があっていいですね。
アップで見ると塗りは大まかですが、これでもそれなりに見えるもんです。

本編ではフェイスシールド部分はパープルですが、ヘルメットの色と同化しそうだったので、グリーンにしました。
他のレビューサイトで、なぜコックピットのモニターのデカールが付属しないんだ、という疑問を見て、確かに!と思いました。

とりあえずシルバーで塗っておきました。

まああんまりここは覗き込まないですけどね。
真上から。

デカールがところどころ剥がれるトラブルがありましたが、説明書を参考に位置を調整したことで、パーツを跨いでも綺麗なラインとなっています。

よかったよかった。
裏面。

マクロスの凄いところは、ガンダムの寝そべり変形とは違って、人型の腕や足パーツが分かりづらいこと。

足はまあ分かったとしても、腕はつるっとしたシルエットでボディに馴染んでおり、分かりづらくなっています。

本当に、始めてみた人は、ただの戦争機だと思うのではないだろうか。
機体中央下部にガンポッドを懸架することができます。

しかし、このスタンドが変わっていて、ガンポッド先端を支える補助パーツが床に接するようになっています。

接地しないで懸架できたら、ランディングギア3つですっきりまとまっていたのですが・・・・・・。

後述しますが、スタンド関係はいろいろと気になるところがありました。
ガンポッドは足の間に挟まれるので、懸架しても全体のシルエットはほぼ変わりません。

いやしかし、機首が美しい。
羽部分は塗装したことで、デカールによる切れ目はなく、自然な見た目となりました。

ちなみに主翼部分は折り畳む都合で、かなりがっぱりと空洞になっています。
アフターバーナーは足を折り畳んでいますが、流線型により、パッと見ではロボットの足だとは分かりづらいシルエットになっています。

この色は成型色そのままです。

いい感じの渋いオリーブ色。
アクションベースを使って浮かせたディスプレイ。

駐機状態もいいですが、やっぱり戦闘機は浮かせないと!
パーツが微妙にかっちり噛み合わず、どうしてもズレてしまいます。特に、足と胴体とのロック機構を担っている腰のサイドアーマーですが、そもそもツライチになるように造形されておらず、ロックも甘く、外れやすいという難点があります。

まあ、プラモデルで完全変形を再現している時点で凄いキットなのですが、もう少し頑張って欲しかったところ。
バトロイド形態の胸部分にあたるエアインテークの内部は色分けされてなかったので、グレーで塗っておきました。

奥まった部分だけを塗ろうとすると、横部分にも塗料が付いてしまうので、余計な部分はカッターで削りました。

メリハリがあっていい感じ。
煽り。

このスタンド用ジョイントがあまりよくありませんでした。ファイター形態では、ガンポッドのグリップを手首の間の隙間に差し込むようにして固定するパーツと、ガンポッド先端を包むようにして保持し、ボディにひっかけるようにするパーツがあります。

どちらもがっちりと固定はされていないので、展示しながら傾きを変えようとすると、バラバラと崩壊してしまいます。

まあ、乗せて置くだけなら、何とかはなりますが、使いづらさがあります。
マクロスFは2008年放映で、全盛期時代のニコニコ動画で、楽曲を用いた動画をよく目にしました。

キャラクター人気も凄く、メイドカフェで働いている先輩に「マクロス知っているの!?」と驚かれた記憶があります。

メカニック好きで見ていた自分としては、その反応が新鮮でした。
羽を少し畳んで、高速飛行モード?

楽曲はどれも印象的で「ノーザンクロス」「アナタノオト」「トライアングラー」「射手座☆午後九時 Don't be late」「What 'bout my star?」「インフィニティ」「星間飛行」「私の彼はパイロット」「ねこ日記」「ニンジーン Loves you yeah!」「アイモ」「愛・おぼえていますか」「ダイアモンド クレバス」など、すぐにフレーズと使われたシーンが思い起こされます。
特に後期OP曲である「ライオン」は、ヒロイン2人によるデュエットで、畳みかけるように歌う様子は、物語後半の激しい状況と相まっていました。
最終話の「娘々サービスメドレー」では、これまでの歌が次々と流れながらの戦闘シーンとなり、マクロスならではの感極まる展開となっていました。

エモいってやつですね。
アップで見ると、ところどころ補修した跡が見えます。

この撮影をしている時も着々と剥げていったので、その都度補修しています。

もはや剥げるのは当たり前と受け入れてしまったので、すぐに補修するスキルが上がった気がします。
コックピットアップ。

最初は濃く塗り過ぎたかなあと思いましたが、とってもいい感じですね。

筆塗りではこのようにきれいに塗れなかったので、エアブラシを使えるように整備した甲斐がありました。
ガウォーク形態
では、マクロスに搭乗するバルキリーの最大の特徴、変形を行います。

まずはガウォーク形態に。

本体をロックしている腰のサイドアーマーを開き、エアインテークからアフターバーナーとなっている脚部分の関節を曲げて、前方に展開していきます。

脹脛横のアーマー内の足首のロックパーツを外して伸ばし、羽を畳んで脚部のシルエットにしていきます。
膝部分は、アーマーが内部に潜り込むように曲げられるので、逆関節にすることができます。

膝のグレー部分は水転写デカールが付属しますが、絶対擦れると思ってマーキングシールにしました。
これで、マクロス独特の形態、戦闘機に脚が生えたような見た目のガウォーク形態が完成です。

腕部を畳んだこの状態はガウォーク・ファイターと呼ばれるそうですね。
前から見ると戦闘機から脚が生えている、そうとしか言えないシルエットです。

エアインテーク部分が本体と密着しているので、脚は左右にここまでしか開けません。
ガンポッドを外します。

これが前述した緩い保持のジョイントパーツです。

まあ、かなり目立たないつくりとはなっていますが。

腕部は、左右の手が一体化したパーツで合わさっています。

両手を合わせてシールドに手を差し込んでいるのが分かります。
シールドを外し、手首パーツを独立したものに好感することで、腕を左右に開くことができます。

あーあ、やっぱり肩のデカール剥げてます。

せめて、取り外して変形した方が被害は少なさそう。
右腕にはガンポッドを持たせます。

穴あき拳は分解せずに差し込めますが、グリップとフィットはしないので、グラグラします。
腕を出して、ガウォーク形態となりました。

脚部が本体と少し離れたので、ここまで開脚することができます。

ただ、劇中ではもっとハの字になっていたイメージがありますが、このキットのままでは太腿のジョイントと接地性の関係でこれ以上開くことはできません。

模型雑誌で、ここを改造している作例があったのを覚えています。
手足を展開しても、ファイター形態の装甲がかなり残っているので、戦闘機と人型が両立した独特のシルエットになっていることが分かります。

バルキリーの立体物を手にしたのが初だったので、とても新鮮です。
左手を平手にして、空中で人を助けた時のようなポージング。

ファイター形態では手が無いですし、バトロイド形態になったらコックピットが奥まってしまうので、ガウォーク形態は丁度いいですね。
昔やったPS2のゲーム「Another Century's Episode 3」ではVF-25こそは登場しませんでしたが、ホバリングしながら射撃ができるガウォーク形態を使い分けながら戦うことができました。

パイロットが、状況に応じて使い分けているのをイメージしながら遊ぶのが楽しいです。
バトロイド形態
さあ、3形態目のバトロイド形態にしていきます。

主翼を畳み、機首を折り畳んでいきます。
機首の後ろにはバトロイド形態の胸パーツがあります。

前面のカバーパーツの裏面に、折り畳んだ機首を潜り込ませるのですが、この工程がもう擦れる擦れる。

胸部前面の黒い縁取りががっつり削れてしまったので、補修します。
劇中では電流が走りながら強い磁石で接続するようにガシャッと小気味よく変形していましたが、プラモでやるには、細いパーツ同士を可動させ、かなりタイトなスペースに入れ込む、緊張感のある作業となります。

こんな脆弱な部分を敵に狙われたら大変。
何とか機首が胸部に収まりそうです。

腰部も折り畳みますが、ここも細いジョイントで繋がっているのと、足の付け根部分を大きく可動させるので、気を遣います。
謎だったのはこの腰のパーツ。

説明書には「股関節を可動させると自動的に閉じます。」とあるのですが、閉じません。

奥にパーツが倒れたままになってしまいます。

どういうこと?
よく分からなかったので、ティッシュペーパーを詰めて閉じないようにしました。

よく分かりません。
主翼部分を閉じます。

コックピットが背中の位置に移動していることが分かります。
これが擦れたデカールの跡。

ひどい・・・・・・。

これをいちいち補修しながら、撮影をしました。
バトロイド形態が完成しました。

足の長いスラッとしたシルエットで、プロポーションはかなり良いと言えるでしょう。

劇中のスタイルそのままの印象です。

よく見ると腕が結構長いんですね。

胸部は機首が折り畳まれている上にカバーが被さって、一体化してまとまって見えます。
横から。

畳まれた主翼が嵩張って見えますが、実際は薄いので、重くはありません。

機首部分が折り畳まれて人型のボディになっていることが分かります。
後ろから。

肩の付け根部分が小さなブロック状になっていて、全体のボリュームの割に貧弱に見えてしまいます。

とにかく、背面の主翼部分が大きいですね。
腕をズラすと、コックピットが丸見えです。

戦闘する上では、結構ドキドキする露出具合ですね。
メイン武装は、ハワードGU-17A 58mmガンポッド。

銃身が5本のガトリングガンポッド。

銃身をスライドして前進させ、銃身下部のカウルは開くことができます。
左手を平手にして、両腕でガンポッドを支えることもできます。
左腕にはシールドを装備。

マクロスシリーズではお馴染みのピンポイントバリアを展開することができます。
シールド内部には、ナイフを収納しています。
ガーバー・オーテックAK/VF-M9 アサルトナイフ

高速戦闘を得意とするVF-25Fですが、ヴァジュラとの接近戦ではナイフを使った戦闘シーンがありました。
エヴァやストライクガンダムも持っているような超硬合金製ナイフ。

刀身をシャインシルバーで塗りました。

ピンポイントバイア展開状態をイメージしたメタリックグリーンもよさそうですね。
ヴァジュラに突き刺し。

もっとリーチの長い武器があってもいいような気がしますが、変形時に格納できることを考えると、このナイフくらいの長さがいいとこなのか。
ガンポッドと一緒にCQC風の構え。
頭部のサイドにあるのは、アンテナに見えますが、頭部レーザー機銃です。

2本あるのはヒロイックで、主人公機という感じがします。

頭部の白いラインは、水転写デカールもあったのですが、絶対擦れると思ったのでマーキングシールにしました。

ただ、曲面だったのでよく見るとシワが寄ってしまっています。

切れ目を入れるか、塗装すれば解決しそうなもんですが、もう疲れたので今回はこのままにしました。
変形機構の都合もあり、首を真上まで向けることができます。

上空に飛びながら戦闘するイメージでのポーズ。
うろ覚えですが、アルトによる歌舞伎の女形ポーズ。

太腿をあまり上げられないですが、脚が長いので膝を曲げるとポーズが大きく見えますね。

ガンポッドは、平手でどうにか支えています。

ロボットにこういうポーズを取らせるのは、女形をやっているアルトならではですね。
オリジナル形態
変形機構を生かして、3形態以外のオリジナル形態にしてみます。

まずはオーソドックスに、バトロイド形態で羽を広げました。

これは普通にかっこいい。
次は、ファイター形態をベースに脚をガウォーク形態の逆関節にして、中間形態の中間形態。

虫みたい。
ガウォーク形態の脚直立バージョン。

スタイリッシュさが失われ、野暮ったさが出ます。
ファイター形態で腕と頭だけ展開。

面白い感じに。

ただ、腕の収め方の都合上、脚部を一回開く必要があるので、ファイター形態からスムーズには変形できません。
最後に、ファイター形態で腕だけ展開。

ファイター形態用の連結された拳を使って、土下座またはお出迎えポーズ。

シュール。
では、平手を使って敬礼風ポーズでおしまい。

コロナによる外出自粛で家にいる理由はできたものの、3歳と0歳の娘の世話で、さして日中の作業時間は増えませんでしたが、いつか作りたいと10年ほど思っていたキットに手を出すことができました。

3形態の変形を再現しているのはとても素晴らしいのですが、組み立て作業の複雑さ、水転写デカールを貼る作業の煩わしさ、デカールが剥がれながら折れないよう気を付ける変形の気遣い、大きく取れないポージングなど、かなり疲れました。

もう2度と作りたくはありませんが、やりきった満足感はあります。
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