特命戦隊ゴーバスターズ
レッドバスター
コスチューム
所属している吹奏楽団の演奏会で「特命戦隊ゴーバスターズ」のオープニングテーマ『「バスターズ レディーゴー!』をやることになり、その演出としてレッドバスターのコスチュームを作ることになりました。

ゴーバスターズのモチーフは「スパイ」なので、スーツはシンプルな全身タイツではなく、ジャケット風となっており、マスクにはサングラスの意匠があります。戦隊モノでは珍しい、敵を引き寄せてナイフで切り裂くという殺陣が斬新で印象的でした。ロボ戦では、従来の等身大戦とロボ戦の二部構造からの脱却を図り、工夫された演出がありました。整備・発進と特撮シーンがかっこいいですし、ロボ自体がメカメカしくてかなり好みでした。

演奏会をやる時期は、もう獣電戦隊キョウリュウジャーと番組が変わっていましたが、ゴーバスターズは終盤の展開にかなりのめり込んでいた作品だったのでモチベーションはばっちりです。

そもそも、演奏会の演出予算とは別に自腹で作る!と言い出したのは自分なので、初コスチューム製作といえど気合いが入ります。

まずは、手元にあった劇場版のパンフレットや画像を集めて、設計図と必要な材料の洗い出しの作業をします。
スーツの製作
さて、まずはスーツを製作していきます。何しろコスチューム製作が初めてなので要領が全く分からないのですが、ホームセンターで使えそうな材料を買ってきました。

幸運なことに、ゴーバスターのスーツはジャケット風なので、実際のジャケットを加工することでスーツにできそうです。他にも、手袋、長靴、ゴムバンド、スプレーを買ってきました。
スーツのメインとなる赤いレインスーツを加工していきます。

はさみで不要な部分を切り取っていきます。
また、裏地もメッシュ部分も暑いだけなので切り取ります。
チャック部分を露出させるために、チャック隠し部分を折り曲げて縫い付けます。
赤いレインスーツの加工が少し進んだところで、実家に放置されていたライトグレーのレインスーツを引っ張り出してきました。

これらを組み合わせてレッドバスターのスーツに近付けていきたいと思います。
ライトグレーのレインスーツの不要部分を裁ちばさみで切り取ります。
赤いレインスーツと組み合わせて、ミシンで縫い合わせていきます。
下半身用のレインスーツは、体形に合うようギリギリまで詰めて服のだぶつき感をできるだけなくしていきます。

上半身のスーツも同様に詰めました。
さて、肝心の変身アイテムですがこれは作るより玩具をそのまま使った方が楽だろうということで、DX玩具の変身ブレス「モーフィンブレス」と武器転送装置「トランスポッド」を購入してきました。

戦隊の変身アイテムを買うのは幼少期以来だろうか……。
ハーネス型ベルトは、ゴムバンドを貼りつけてそれっぽく見えるようにしました。

その途中部分にトランスポッドのアタッチメントを縫い付けて固定しました。
ブーツ部分は、白い長靴を「染めQ」で赤く着色します。

口の部分をゴムベルトで巻いて完成。
これでほぼ完成!

手を加えわしましたが、市販品をほぼ流用した割には、かなりそれっぽくなったと思います。

この後、ベルト部分を作ったり、上半身と下半身のスーツを縫い合わせたりと加工して完成となります。
メットの製作
それでは、肝心のメット部分を作っていきます。

画像中央の工事用ヘルメット2つを使用します。
つるっとしたドーム状の物が欲しかったので、作業用ヘルメットを2つ購入しました。内部のバンド部分は不要なので、外して左の状態にしておきます。
カッターノコで縦に真っ二つにしました。

だいぶガタガタになってしまいました。
先ほどの物をマスク面に、もう一つは後頭部にしようと思うので今度は横に割っておきます。
ヘルメットのつばにあたる反り部分は不要なので切り落としました。
試行錯誤しながらシルエットが出来てきました。

ヘルメットの丸みを生かしつつ、シュッとしたマスクに近付けたいので切断位置を増やして角度を付けています。

この辺りから、視野をどう確保するか考え始めました。
マスクのデザインを描き込んでいきます。

角度を付けるためにヘルメットの組み合わせ方がシンメトリーではないので、その歪みをどう処理するかが課題となりました。
角度を付けたのと、切断面がギザギザになっているため、パーツ同士の隙間が大きく開いています。

普段はエポパテを使っていますが、大量に使うのでポリパテをスパチュラで塗り込んでいきます。
首が入る部分を切り取りました。

これは、首の後ろと後頭部部分を覆うパーツで、マスク着脱の際に取り外せるよう別パーツとします。
装着してみました。

マスク部分が下膨れになっていて、プロレスマスク感が否めない……。

この時点で、サングラス部分を板で作り、マスクとの隙間から視界確保しようと考えがまとまりました。

実際のスーツも、目の部分は装飾や電飾で視界がなく、ごく僅かな隙間から視野を確保して、その上でアクションをするというのですから感服します。
画用紙を型紙として、だいたいのサングラスの形が決まったので、プラ版に写し取って切り出します。
マスクは口元を切り詰め、ポリパテで形状を更に修正していきます。
サングラス部分は折り曲げて接着しました。
これでかなり本物のマスクに近付けたと思います。

後頭部の二タ部分を取り付けるため、ホームセンターで蝶番とパッチンと固定するジョイントを購入しました。
ネジで固定していきます。
サングラスのフレーム部分やチーターの耳など細かいパーツをスタイロフォームから切り出していきます。

設計図を引くより、実際に合わせた型紙から取っていく方が速いですね。
パーツをテープで仮固定して、バランスを見ながら調整していきます。

厚みがあるとかっこいいですが、別物になってしまいますし、薄すぎても存在感がないし……とこれまた試行錯誤です。
スタイロフォームで大まかな形ができたパーツや端部分にポリパテを盛ってエッジを立たせていきます。

当然、ポリパテで盛った部分は紙やすりで整えていきます。ここが一番地道な作業・・・・・・。
全体のシルエットはこんな感じになりました。

額部分にもう少し丸みがあってもよかったかな、とも思えますが、もうこれが限界でした。
スプレーがけをする前に、スタイロフォーム部分に下地材であるジェッソを塗っておきます。
いよいよ塗装です。

まずは全体をシルバーに塗装しました。
シルバーを残すサングラスのフレーム部分とマスク部分をマスキングテープでマスキングします。
残っていた染めQで全体を赤く塗装しました。
サングラス部分はメタリックレッドのラピーテープ、模様部分は黒いビニールテープを貼りつけて色をつけていきます。
遠目から見るとラピーテープの継ぎ目は分かりません。

本当は丸々一枚メタリックシートがあるとよかったのですが、今回はお手軽さを優先しました。
まだチーターの目の部分をシルバーにしてませんが、ほぼ完成したメットとスーツを同時に装着した状態。

マスクとサングラスの間にはストッキングを張って接着しています。ストッキングだと外からは黒く見えますが、中からはある程度視界が確保できます。

初コスチューム製作で、どうにかここまでのクオリティにすることができて満足です。

かなり費用もかかりましたが、演奏会の演出という大義名分の下に、ちょっとだけ興味があったコスプレをする機会を得ることができました。
本番
ファミリー向けの演奏会だったので、本番では曲と共に登場し、ごみをばらまくごみ怪人をこらしめ、最後は仲直りをするという小芝居をしました。

登場した時に、観客の小さい子が寄ってきて握手を求めてきました。本当のヒーローになったようでとても嬉しかったのですが、ギリギリまで狭い視野に入ってきていなかったので想定外の事態に驚きました。

以上、初ヒーローコスチューム製作となった特命戦隊ゴーバスターズよりレッドバスターでした!
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