11ぴきのねこ
大きな魚 制作
2017年に上演した「11ぴきのねこ」で作成した大きな魚です。

まずはダンボールで大きさのアタリをつけ、スタイロフォームに下書きをします。
カッターナイフでどんどんどんどん切り落として骨の形を出していきます。

その上に発泡スチロールを重ねて、肉の部分にします。

玉磁石を骨と肉に仕込んで、磁石による着脱式にしました。
このように磁石を仕込みながら形状を確認していきます。
基本となる部分ができました。

このあたりから、土台としてダンボールで枠を作り、それに椅子をセットして本体部分が歪まないようにしています。

ダンボールと椅子は接着せず被せているだけだから、簡単に分解できます。
基本の形ができたので、肉部分にスタイロフォームと発泡スチロールを4段ほど重ねて貼り付けていきます。

今回使ったスタイロフォームと発泡スチロールは、余りものを使っているので、購入したものは玉磁石と接着剤4本分で済みました。

土台のダンボールにも、最初にアタリをつけるために使ったものを再利用しているので、主な材料は新規購入せずありものを使ったことになります。エコ!
かなり重ねて立体的になったので、カーブが自然になるようにカッターナイフで整えました。

肉部分は接着してますが、布ガムテープで補強しました。

発泡スチロールやスタイロフォームは軽いとはいえ、最初に作った時から重量が増えたので、磁石で支え切れなくなってしまいました。

そこで、磁石の数を大幅に増やしました。
肉パーツは内側を赤い画用紙で包んで、外側をしわくちゃにした青い画用紙で包んでいきます。

見えない部分はガムテープで貼り、画用紙の境目では両面テープを使いました。

画用紙は薄いから大丈夫だと思っていましたが、肉部分も骨部分も画用紙一枚分挟むことで、磁石の力が弱まってしまいました。

磁石を増やす際はもう見た目を気にせず、くり抜いた部分に磁石を仕込み、白や赤のガムテープで覆うことにしました。

舞台用の大道具だから、このくらい遠目では分かりません。
頭と尻尾もしわくちゃにした青い画用紙で覆うことで本体部分がほぼ完成しました。

これまた余った缶スプレーがあったので、使いきってしまおうと思います。
下部分は白いスプレーで、上部分は銀スプレーをさっと吹いた後に、ネイビーを吹き付けて魚らしい濃淡のある色にしました。

下から見たら太陽の光、上から見たら深海の黒に擬態するために、このような色をしているそうです。

ヒレは少し色味の違う画用紙を使いました。
完成
大きな魚完成。
肉部分だけ半立体で、頭と尻尾は平面なのですが、しわくちゃの画用紙と塗装の効果で、全体的に立体になっているようにできました。


磁石着脱式ですので、手前に引っ張ると肉ブロックが外れます。

まずは下の小さいブロックを外します。

ヒレが二重になるのはご愛敬。
次に、上のブロックを外します。

猫たちが肉を食べていくうちに、骨の露出がどんどん増えてしまうように分割しました。
さらに、左下のブロックを外します。

これでほぼ骨が見えてきて……。
最後にとらねこ大将が中央のブロックを外します。

大将が食べすぎですが、中央が外れることで一気に全部食べ尽してしまったことが観客に伝わることを狙いました。
食べ尽くされた骨がこれ。

舞台で「11ぴきのねこ」を何回か見たことがありますが、大抵最初の魚の絵と骨の絵でそれぞれ一枚絵になっていました。

今回は実際に少しずつ食べている感じを出したかったので、このように作りました。
土台部分には新聞紙を丸めてガムテープを貼っただけのボールが入っています。

猫たちは肉ブロックを外して裏に持って行き、お腹に新聞紙ボールを入れることで、あたかも食べているように見える演出をしました。
大きな魚のほかに「11ぴきのねこ」のために作った魚の絵といかだです。

魚の絵は、画用紙のちぎり絵をした模造紙をスタイロフォームに貼り付けました。
この手法はお手軽だったので、使えそうです。
裏には尻尾の絵。
軽いので、簡単に出し入れができます。

いかだは、牛乳パックを画用紙でくるんだもの。
これまた内部に磁石が入っているので、丸太を持ってきて舞台でいかだを組み立てる演出ができました。
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